2018年05月20日

デザイン

 今年の「きのくに海南歩っとウォーク」に参加してくれたソラティオーラの会員は、大会の冊子に氏名が記載されたのが162人と、団体参加の中では最多であった。こんなに多くの会員が参加してくれたのか思うと、本当にうれしくなる。今年は、各カテゴリーの日程の都合で全員初日の19日(土)の参加となった。すると、距離によって出発時間は異なるものの、総合体育館の付近では青黒ストライプのプラクティス・シャツがやけに目立った。ここにもそこにもソラティオーラの会員がいるということが一目瞭然なのだ。なんか大会の主役になったようで、なんとなく誇らしくも思えてきた。
 その総合体育館前のブースに、今年もシャウトがフランクフルトとスーパーボールすくいの模擬店を出してくれた。シャウト会員が多く参加してくれている。私ももちろんフランクフルトをいただいた。スーパーボールすくいをやる勇気はなかったし、誰も勧めてもくれなかったのはちょっと残念だった。
 シャウトは、県内にママさんサッカーのチームや大会はあったが、一般女子のチームも大会もなかった1987年(今から30年前)に、中学生以上の女子なら誰でも入れる県内初のチームとして、その少し前まで私が勤めていた海南高校サッカー部の女子マネジャーを中心に結成したものだ。年月は流れたが、現在も県内には一般女子チームは一つだけだ。
 そんなこともあって、和歌山国体が近づいてくる中で、シャウトが県女子選抜チームの候補選手のための強化指定クラブになった。補強選手も登録してくれたおかげでチーム力は格段に上がり、関西女子リーグの1部まで昇格できた。しかし、チーム関係者には強化指定を受ける時から大きな不安があった。それは、国体が終わった後、補強選手たちがどれだけシャウトに残ってくれるのだろうかという心配であった。国体後、その不安は当たってしまった。補強選手の中には、もっと上のレベルを目指す人もいたから、そのような思いを持っている人からすれば、練習回数も、サッカーにかける思いも、もともとシャウトに所属していた人とは違いがあって当然である。これは、どちらが良い悪いの問題ではもちろんない。シャウトに残ってくれた補強選手もいたが、大半はチームを離れていった。
 国体前から予想していたことではあったが、シャウトの再建という、クラブにとっても、シャウトにとっても、国体強化以上の困難なミッションに取り組んでくれているのが、現在のスタッフとプレーヤーの皆さんなのである。
 “誰でも参加できるクラブ”という、ソラティオーラの基本方針を受けて、シャウトを“デザイン”し直すことが必要であった。ソラティオーラという枠組みの中でのチームの位置づけ、現状での戦力とチームの目標、練習会の設定と練習参加の可能性、若い会員の募集、スタッフの人選と依頼、県女子サッカー界でのシャウトの役割、などなどの様々な要因が複雑に絡み合う中での、シャウトのこれからをしっかりと“デザイン”し、少しずつ着実に前に進みながら、時々は“デザイン”し直していくというたいへんな作業を担ってくれている。
 シャウトにU-15クラスをスタートさせ、各地の中学生に声をかけて参加を募る。新たに火曜日に練習会を設定する。思った以上の会員が参加してくれているように思う。現時点では、今シーズン何とか関西女子リーグ2部を維持してもらいたいと願っている。
 冒頭の「歩っとウォーク」でのシャウトの模擬店の話に戻るが、その取り組みもシャウト再発展のプロセスの一環としてのイベントであると私は理解している。模擬店ブースのテントには、スタッフとプレーヤーのほとばしる思いが熱いエネルギーとなって蓄積されつつあるように感じられた。
 ソラティオーラ会員の皆さん、シャウトのチャレンジに力強いサポートをお願いします。
  


Posted by Okuno at 15:39Comments(0)

2018年05月14日

ビッグ・バン

5月13日(日)、まだ雨の残る中傘を差し、試合の余韻に浸りながら紀三井寺陸上競技場から駐車場へ歩いている時に、私の心に浮かんできたのは“ビッグ・バン”という言葉だった。

天皇杯県予選決勝戦、アルテリーヴォに1点リードされ試合終了まで5分を切っていたと思う。相手ゴールに向かって左側ペナルティー・エリア角からそんなに遠くない地点で得たフリー・キックをヘディング・シュート。ゴール・キーパーが左に倒れながらなんとか防いだもののルーズ・ボールとなってこぼれたボールをゴール・エリア内から押し込んでゴール。

昼前から雨が強くなる中、クラブの代表として応援にいかなくてはと思い、悪天候のためにやや気持ちが進まないまま(ごめんなさい!)に家を出たが、試合開始直前のスタンドに入った時、自分の目を疑い、一気に気持ちが高ぶって来た。何百人という多くの人が、この雨の中応援に来てくれていたのだ。エスコート・キッズを務めてくれた子どもたちと保護者、大会が中止になったため急きょ応援に来てくれた3・4年生の子どもたちと保護者、練習を終えてから、または練習試合の後、会場に来てくれた小学校高学年の選手やエンジェルスの選手たちとスタッフ、試合に出場する選手の家族や知り合いの方。本当にありがとうございました。トップ・チームの選手たちにはとてつもない力となったことでしょう。

スローモーションを見ているかのように、ゴール・エリアの中で誰の支配も受けずに自由にゆっくり転がっている直径20㎝あまりの球体に一番先に触れたのは、白いアウェーのユニフォームに身を包んだ我が海南FCの選手だった。倒れたまま、なおもゴールを死守すべく伸ばしたゴール・キーパーの左手の指先と、なんの感情も持たずに次の瞬間を見守っているかのように泰然と直立している白いゴール・ポストのわずかな間隔を、自分に最初に触れてくれた選手の意志をそのままに受け入れたボールが通り抜けた、まさにその瞬間に“ビッグ・バン”は起こった。

およそ1,000の瞳が、誰の指示もなく無機質なボールに焦点を合わせる。その視線に込められた思いを喜んで受け入れたかのようにまるで生命体のように自らの意志で白いゴール・ラインを通り過ぎた。その瞬間、両手を突き上げる者、立ち上がり大声を発する者。その場に居合わせた全員が瞬時に“ビッグ・バン”を創出させたのだ。プレーする者と応援する者という関係ではなく、お互いに名前も知らない観戦者という各個人という存在ではなく、ゴールの瞬間の喜びを共有する“場”を、それまでの時の流れとは無関係に、まさに突然に創出させたのだ。
チームのよって立つ基盤、プレーヤーの来歴・社会的地位・家族関係、応援に来てくれた人の抱えているはずの事情、そんな諸々の背景やここに至るまでの個々の経緯を、誰の意志もコントロールもなく瞬時に“無”にし、膨大なエネルギーを瞬時に一斉に放出し、サッカーの喜びの宇宙を創出する“ビッグ・バン”を私たちは共有し、経験することができた。これを至福と言わずなんと言うか。

サッカーの、そして多分スポーツの本当の物凄さは、その瞬間にある。
私は、そのことをある本を読んで知識としては知っていた。
『フットボールの新世紀 美と快楽の身体』(今福龍太 著、廣済堂出版、2001年発行)から紹介する。
- 「結果」ではなく、ましてや「過程」でもなく、私がサッカーで愛したいのは「いま」である。時の流れ、感情の流れ、思考のとどまることなき流れの中で明滅し、閃光を発し、たちまちにして消え去る「現在」という、瞬時の強度に満ちた生々しい「いま」そのものである。「いま」が時の深みを生み出し、プレーヤーの身体的アートに厚みをもたらすという事実への、無私の愛である。-

写真もない、硬い文章になりましたが、たまにはこんなことを考えてみるのも、また、サッカーの楽しみだと思います。
  


Posted by Okuno at 11:07Comments(0)

2018年05月04日

2018アウトドア・パーティー

普段はカテゴリー別に活動しているソラティオーラの会員が、一堂に会して交流し親睦を深め、クラブの一体感を高める活動が年に2回あります。春の「アウトドア・パーティー」と、秋の「ソラティオーラ・フットボールデー」です。
2018年度のアウトドア・パーティーは、昨年好評だった“黒沢ハイランド”で今年も開催させていただきました。メイ・ストームと呼ばれた前日の雨がいつまで残るかとやきもきしましたが、みんなの気持ちが天に通じたのか、当日朝にはすっかり雨が上がり高原には爽やかな風が吹いていました。(本当に日ごろから良い行いをしておくものですね。天の神様はちゃんと見てくれています。)
気がはやり、集合時間を待ちきれないのか、11:00受付開始と連絡してあったにもかかわらず、一番早い人は9:30過ぎにはすでに会場に到着していました。(アウトドア・パーティーをそんなに楽しみにしてくれているとは、本当にうれしいです。)
今年の参加者は、大人125人、中学生以下の子ども160人、合計285人でした。おそらく、クラブ史上最高の人数であったと思います。ソラティオーラを愛してくれている人がこんなにたくさんいるなんてと感激しています。

中学生たちも火おこしに悪戦苦闘しながらも準備を進めていくのと並行して、12:00ジャストに参加者全員で、「今年もソラティオーラでサッカーを楽しもう」と、クラブ愛を確認しながらの“乾杯!”。ジュージューと音を立てているお肉やソーセージなどの食材をほおばるのを待ちきれません。
お腹が膨らんだ子どもたちは芝生広場へ一目散。芝生滑りやバットとボールを借りて野球に興じる子どもやアーチェリーにチャレンジしている子どももいました。みんな体を動かすのが大好きですね。
そろそろ恒例の“大ビンゴ大会”です。「ビンゴ始めるよ」の一声だけで、広場に散らばっていた子どもたちはいっせいに集まってきます。まるで、牧羊犬に誘導されているかわいい羊たちのようです。
さあ、大興奮のビンゴ大会が始まります。

あっと言う間に半日が過ぎていきました。私たちのアウトドア・パーティーに会場を提供してくれた黒沢ハイランドのご厚意に心から感謝しつつのお開きとなりました。
みなさん、会場をきれいに片づけて帰りましょう。来年もまたここでアウトドア・パーティーやりたいですね。


  


Posted by Okuno at 10:16Comments(0)