2019年04月02日

パナソニック・スタジアム、ここは日本か?

新しい元号が「令和」になることなど、当たり前だが誰も思いつきもしない3月30日、Jリーグのチケットをもらって、パナソニック・スタジアムにガンバ対ヴィッセルの試合を観に行った。
パナソニック・スタジアムへ行くのは初めてなので、どうやって行こうかと思案していたが、息子がモノレールの門真市駅の近くまで車で行って、そこからモノレールを使ったと教えてくれたので、「老いては子に従え」と言うし、そうすることにした。ナビに従って運転していても、なぜか目的地近くになると間違ってしまう。この日も、やっぱり門真市駅直前で交差点を直進したいのに、道路は左折オンリー。訳が分からなくなったが、この日はついていた。元の地点に戻ろうとしていると、偶然24時間最大500円というコイン・パーキングを見つけたので、駅まで少し距離はあったがそこを使わせてもらうことにした。モノレールは、乗り換えなしで万博記念公園駅に20分で着く。便利だ。駅からスタジアムまでは徒歩15分と案内にあった。
パナソニック・スタジアム、ここは日本か?
素晴らしいスタジアムだった。席はアウェイ側のゴール裏2階席だったが、1階席の上に覆いかぶさるように作られていて、サッカー専用なのでピッチまでが近い。長居のゴール裏よりはるかに見やすい。2階席の上には屋根が張り出しているので、雨が降っていたが、観戦中に濡れる心配もない。対戦相手がイニエスタなどのいるヴィッセルということもあって、観客数はスタジアム最多の37,000人を超えた。
こんなスタジアムが日本に作られる日が来ているとは、長生きはするものだ。はるか昔、バレンシアCFが親善試合で来日した時、たしか大阪球場だったと思うが、野球場で観戦したことを思うと眩暈がするほどだ。
ただ、終了後の観客誘導は、もう少し気を使ってもらいたいと思った。大勢の流れについていくと、モノレールの駅とは全く反対の方向へ向かっていた。途中でおかしいと思って警備の人に尋ねると、イチローがバッティングに入る時のルーティーンのフォームみたいに、憐みをたたえた表情で、指示棒で元来た方向を指してくれた。情けない思いをしたのは私たちだけでなかったのが、せめてもの慰めだった。見知らぬ人と突然仲間として感情を共有できるということも経験できた。
ところで、この全く素晴らしいスタジアムは、私たちのサッカー文化の成熟度をどれほど表しているだろうか。サッカー先進国の状況と言っても、人にうんちくを垂れるほどの知識もなにもないのだが、二度訪問したことのあるバレンシアでは、バレンシアCFのメスタージャ(55,000人収容)と、レバンテUDのシウダ・デ・バレンシア(約26,000人収容)が歩いて30分ほどの距離にある。ガンバとセレッソのホーム・スタジアムが徒歩圏内にあるということだ。しかも、メスタージャはかなり古くなっている。それだけの歴史を持っている。
そんなことは言ってもどうしようもないことだが、そのようなスタジアムを建設させる文化というか、建設のバックボーンとなる社会的背景を私たちはまだまだ蓄積できていないように感じる。その社会的圧力は、阪神タイガースを支える熱気にはまだまだはるかに及んでいないだろう。そんな空気を私たちサッカー・ファンは、日々の活動の中でもっともっとはぐくんでいく役割を担っている。しかも、私たちの地元は、大阪からもさらに距離がある。和歌山の皆さん、お互いもっと頑張りましょう。
さて、試合はやっぱり一流の外国人の力か、という結果で終わってしまった。さらに、この試合に限って言えば、宮本監督はまだまだ若いね、という感じだった。2点リードしている前半終了間際、それまでほとんど仕事らしい仕事をさせていなかったポドルスキにCKのこぼれ球を豪快に決められて、1点差にされた上にポドルスキを生き返らせてしまった。さらに、途中出場の田中順也に2点奪われての大逆転負け。
2点リードした前半から、宮本監督はこの試合をどのように終わらせるのかな、選手交代できるプランを持っているのかなと思いながら観ていたが、結局後手後手に回った対応しかできなかった。リージョの凄さを見せつけられた。
最後に、イニエスタの印象を一言だけ。初めてプレーを生で見たが、凄いという印象よりは不思議な印象のほうが強かった。意外性のあるパスも何本か出すので、周囲をよく見ているのだろうが、いつ見ているのか、私とのいる2階席からはよく分からなかった。いつ、どのように周囲の状況を把握しているのだろうという不思議さを強く感じた。
書き残しておかないと、この感動もすぐに忘却の彼方に去っていってしまうので、ブログに掲載させていただきました。



Posted by Okuno at 17:03│Comments(0)
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