2016年11月03日

2016ソラティオーラ・コーチング研修会 報告

報告者  奥野修造

実施日   2016年10月29日(土)・30日(日)
会 場   海南スポーツセンター
参加者   10月29日(土)13人、30日(日)15人

以下に、二日間にわたって実施した研修会で話し合った内容について、箇条書きで報告する。

「ポゼッション」をテーマにしたトレーニング

◇年少期のスキルを中心にしたトレーニングから、いつ、どのようにしてポゼッションのトレーニングを始めていくべきか、今模索している。
◇スキルとポゼッションの練習比率は、年代によってどれくらいを目安にすれば、プレーヤーの成長を支えていけるのだろうか。
◇練習中、“ストップ”の声で練習を中断して指導しすぎていないか、また、いろいろな要素について指導しすぎていないか。うまくいっていない状況が続いても、ある程度の時間は練習を中断しないで継続することも必要ではないか。
◇パスの受け手の遠い足のインサイドへパスを出すこと、受け手はボールから遠い足のインサイドでコントロールできるようポジションを取り、体の向きを準備することは、ポゼッション・トレーニングの基本中の基本である。年少期から徹底して指導し続けることが大切だ。
◇ポゼッション・トレーニングは、チームでボールを保持し続けることが目的ではない。何のための保持か、実際のゲームの展開に必要などんな要素をテーマにしたポゼッション・トレーニングなのか、テーマに沿ったメニューにする必要がある。
◇エリアのライン上にフリーマンを置いたトレーニングでは、フリーマンの重要性を理解しよう。全体を見渡し、次の展開を予測し、ボールを要求して組み立てる。このような役割を身につけるには、エリアの中に入ってマークを受けながら360度視野に入れることが要求されるより、フリーマンのほうがはるかに身につけやすい。

「突破」をテーマにしたトレーニング

◇自エンドで2対2、相手エンドで2対2として、縦パスを入れることで突破のスイッチとする練習メニューは、スムーズにいかないことが多い。攻撃役の前の2人が、ボールを受ける前の準備、縦パスが入るタイミングの見極め方などいろいろな要素が絡んでくるからだ。もっと単純な練習メニューを工夫していきたい。
◇「突破の基本はワン・ツーである」ことは、サッカーの永遠の真理である。しかし、あまり、というか、ほとんど突き詰めた練習ができていない。指導してみれば、ワン・ツーの奥深さや指導のむずかしさがコーチにも理解できるはずだ。各チームで取り組んでいこう。
◇「ワン・ツー」は、相手ペナルティー・エリア近くでやるのが効果的である。
◇グループでの突破には、その準備段階として、“仕掛け”が必要だ。“仕掛け”には、フリーランとドリブルがある。
◇突破の練習メニューは、成功率をどれくらいにイメージして設定するのが適切なのだろうか。
◇トレーニングではできるようになっても、ゲームではその成果が表れないことがある。トレーニングとゲームをつなげるには、どんな工夫が必要なのか。

ゴールキーパー・トレーニング

指導者   池田佳津彦氏
受講者   セッションⅠ=小学4・5年生 7人  
セッションⅡ=小学6年生~中学2年生 4人
◇まずは、基本の構えとオーバーハンド・キャッチ、アンダーハンド・キャッチから指導しよう。
◇週1回15分程度のキーパー練習から始めよう。

ゲーム分析

◇チームの攻撃パターンを作ろう。どのエリアを、誰がどんな役割で、どんな方法で突破を図るのかを、チームの共通理解として持てば、プレーヤーの連動した動きにつながる。
◇チームの中で、比較的弱いパートを攻撃パターンの中にどう組み入れるのかを工夫しなければいけない。プレーヤーに能力以上を要求してはいけない。各プレーヤーの特徴と資質を生かした攻撃パターンを工夫しなくてはいけない。
◇システムがすべてを決めるわけではないが、両チームのシステムのズレを、コーチは考えなくてはいけない。両チームのシステムがズレているとき、それが自分のチームに有利に作用しているのか、不利に作用しているのかを見極めて対応する必要がある。
◇KFCソラティオーラとKFCジュニアの連動した詰めの速さは、他のカテゴリーでも取り入れていきたい。県大会上位では、必要とされる基準であろうし、チームのレベル・アップには当然要求される要素である。
◇ドリブル突破、スペースへのパス、だけではないチームとしての突破のパターンを作っていくことが、相手チームの速いプレスを打ち破る力になる。
◇ソラティオーラU-12のチームに要求されるのは、相手ボール保持者への距離を詰めていく守備である。プレッシャーをかけられない間合いでポジションを取っても守備にはならない。1対1の守備のできないプレーヤーが、1対2の守備はできない。人数が多くても抜かれるだけである。
◇最終ラインの守備のカバーリングが甘い。センターバックが1対1で負けた時の対応が不足している。
◇個々の力が上回る相手に対して、どのような守備で挑むか、その結果をどう受け入れるかは工夫しなくてはいけない。
◇U-14チームは、次のポジションへの動き出しが遅く、ゆっくりとしている。早く、次のポジションを取ることの重要性を理解させ、ポゼッション・トレーニングを通じて、そのことを身につけていく必要がある。

全体的な総括

このような規模での研修会は初めてのことであったが、外部から権威を持った指導者にアドバイスを請うといった形式ではなく、日々実際のプレーヤーを相手に実施しているトレーニング内容を紹介し、それについて、でさらにレベル・アップしていくにはどんな工夫ができるのかという観点から、自分たちで意見を交換し合うという形での研修会は、たいへん意義のあるものであったと考えている。
上にまとめた課題について、それぞれのコーチがこれからの日々のトレーニングとゲームの中で、悩み、考え、試行錯誤を重ね、少しずつ自分のコーチとしての力量を高めていき、クラブの発展につなげていこうとする実践を続けていきたい。
クラブとして、一貫した指導方針を持つことは当然大切なことだが、一方でどのコーチも同じ指導をしていたのでは、仮にその指導方法に問題があった場合、クラブ全体として他のクラブに後れを取ることになる。また、ある種の“全体主義”のような、およそサッカーらしくなくなってしまう恐れもある。クラブの中に、ある種の異質なものを持った指導者がいることも、クラブの中に多様性を持つことになり、そのことが、クラブの強靭さや健全性を確保していくことにつながると思う。クラブとしての共通した指導方針と、コーチの個性を併せ持ったクラブを目指していきたい。
次回は、話し合いの中でも出た、「ワン・ツーを使った突破」をワン・テーマとしたコーチング研修会を実施したい。それまでに各年代・各カテゴリーでテーマに沿ったトレーニングを積み重ね、研修会に持ち寄って工夫を話し合い、クラブ全体の指導力をレベル・アップしていきたい。



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